インプラントってどの位持つの?

・症例

平成29年当時 73歳 男性 

平成2年11月初診

当院に28年間来院して頂いているベテラン

患者様で、現在月1回の維持管理中です。

インプラント補綴はありますが、出し入れ式の入れ歯はありません

就寝時のみでなく、大型バイク運転時など、

用途に応じたマウスピースを複数使い分けて

頂いています。

お好きな物を召し上がり、とても活動的なセカンドライフを満喫されています。 

最終補綴物作製技工所:神戸デンタルアートスタジオ・寺尾登喜雄先生とスタッフの皆さん

~ひとやすみ~ 

右上大臼歯部(写真では左上に見えます)の上あご側に小さな金属の塊が画像上に確認できますね~さて何でしょう?

これはリムーバブルノブといってこのセラミック冠を取り外す時に冠そのものに傷をつけずに取り外すためのポッチリです。当院のセラミックは大変高い精度で作製しますので、仮着セメントで最終固定するケースが殆どです。つまり、将来的に何か固い物を噛んで、セラミックを破折させても、最初から作製し直すのではなく、セラミックの焼き直しで修理できる可能性を残しているのです。仮着だからといってむし歯になっているケースはまずありません。セメントの接着力に頼らない精度の補綴物という事です。(ただし、長く連結されたブリッジや長期間の使用にわたって金属疲労が発生している場合は再作製になります。)

平成年11月 当時46歳

 

「悪い所は全部治してほしい」と来院されました。

右下大臼歯部にブレードタイプのインプラントを埋入し、

欠損補綴治療をさせて頂きました。

当時のインプラントは骨性癒着タイプではなく、天然歯との連結が必須でした。

 

平成16年1月 13年後

インプラントに連結していた手前の歯に歯根破折を発症され、加療が必要となった時にも、13年前に埋入した

インプラントに大きな問題症状は発症していませんでした。

しかし、ブレードタイプインプラントの動揺は進行傾向であり、不要な骨吸収をきたし、その後開発された骨性癒着タイプインプラント埋入に不利にならないように、歯根破折した小臼歯部位の抜歯後、骨性癒着タイプインプラント埋入時点で、静脈鎮静下でブレードタイプのインプラントを撤去し、小臼歯部も含めて3本の骨性癒着タイプインプラントを埋入しました。

即ち骨に癒着しないブレードタイプのインプラントでも

13年間にわたって維持されたという事です。

骨性癒着タイプインプラント埋入12年後平成28年11月のパノラマレントゲン像 

その後左上臼歯部にインプラント埋入、欠損補綴を追加治療していますが、平成16年に治療した右下3本の骨性癒着タイプのインプラントは被せ物も含めて令和2年まで

16年間維持されています。

(平成30年当時の口腔内写真は上段)

この患者様は、顔面に外傷でも負わない限り、この生涯、出し入れ式の入れ歯を経験される事はないでしょう。