院長挨拶

  • 平成2年に歯科医院を開業してから30余年を迎えます。歯医者として看板をあげたからには、患者様に対してプロフェッショナルでなければならないと、インプラントをはじめ、咬合、歯周外科、根管治療、顕微鏡治療等の国内外の研修会に積極的に参加し、現在の知識と技術の基盤と致しました。加えて経験豊かな方々に教えを乞い、ビデオ等を見て何度もシミュレートして、常に患者様には完璧な治療の提供を心がけて参りました。

 

  • 日本では残念ながら、高校生までに適正な矯正治療を済ませていない方がまだまだ多くいらっしゃいます。欧米の映画俳優やニュースキャスターの歯並びに注目してみて下さい。歯並びが悪い人は中々見当たりません。このような職業に就くには、歯並びを治していないと採用されなかったからです。矯正治療には原則的に自由診療ですが、そういう事に重きを置く文化であるという象徴でもあるわけです。私は社会的に学童期から矯正治療を始める事で、歯科治療のみならず、全身疾患の発症を減らす事に繫がる可能性もあるという観点から、学童期の歯並びに適正な関心を持ち、矯正治療が保険適応化されると良いと考える歯科医の一人ですが、高齢化、人口減少、医療費の高騰などの問題が多い現状では困難でしょう。従って、自由診療である矯正治療も、子供の学力が親の経済力に左右される傾向があると指摘されると同様でしょう。むしろ、学力ならば、努力次第で結果を求める可能性が皆無ではありませんが、歯並びは矯正治療という医療行為ですので、自身の力ではどうする事もできません。噛み合わせが整っていない事が、むし歯、歯槽膿漏、咬合病(顎関節症)の直接・間接的原因となり、ともすると偏頭痛、肩凝り、腰痛等の誘引になっている事も考えられる中、適正な歯科治療によって、このような全身症状が軽快する方も少なくない事も事実です。このような状態を放置したまま大人になり、不定愁訴に悩まされた結果、全顎的治療が必要になる症例もみられます。 

 

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    「良好な噛み合わせ」は、しっかり頭を支え、姿勢の維持に役立ち、それに関与する様々な筋肉への過度な負荷を軽減し、首・肩のこり、腰痛などを結果として間接的に軽快させるという症例も少なくありません。「咀嚼(食べ物を噛み砕く事)」が効率良く行われれば、以後の消化器官である胃を始めとする内臓への負担も軽減される事は、想像に難くありません。この口腔機能回復の過程で、歯を失ってしまった欠損部分を放置することなく補う事が必要であり、歯科での補綴治療です。体が必要とする形態・機能的回復は、結果として審美的回復(豊齢線が浅くなる、小顔になる等々)につながります。当然ですね、正しい咬合高径(噛み合わせの高で、各々の歯が正常に機能する形態を与え、正常な咬合機能を発揮する事は、口腔周囲の筋肉、顎関節の動きに対し、可及的に障害を与えない事により、ご本人の本来の治癒力が発揮されるようになります。審美が先に立つのではありません。正しい機能回復に審美が自ずとついてくるのです。

 

  •  ご高齢の方のリハビリテーションにおいても、機能的な入れ歯はその効果を左右する大切な要素のはずですが、整形外科、理学療法士等々を始めとして、介護現場の方々に本来の価値が認識されていないのは残念な事です。歯医者側が、その期待に応えられているかも重要ですが。人は、「ふんばる」「起き上がる」等力を入れる」「集中する」時には、無意識に噛みしめているものです。ですからリハビリテーションの時に、適正な入れ歯が入っていないと、リハビリテーションの効果を発揮できているのかと疑問に思うわけです。介護職員の方の利便性の為、「食事の時は 入れ歯を外した方が食べさせやすい、特にとろみ食の時などは」というお話を折々に耳にした事があります。その対応策としては、食事量をしっかり摂って頂く為に食事の時は入れ歯を外しても、寝ている時以外の起きている時には入れ歯を入れて頂く事です

 

  •  昔から「よく噛む子は賢くなる」と伝え聞きませんでしたか?認知症を発症されている患者様に入れ歯は不要?歯医者が作製困難?いえいえ、認知症を発症されている方にも、噛む事の脳への刺激は大切で、適正な入れ歯は、時として驚くほどの良い変化を少なくない患者様に経験させて頂きました。

 

  •  このように、口腔機能と全身状態は密接に関係しています。口は体の外にありません従って当院では治療完了したご高齢患者様が、腰・膝その他に痛みを伴うご病気を発症された 時に、痛みをかばう動き等により、体幹軸に一時的変化が起り、噛み合わせや顎の動き、口にも何らかの変化が発症するかもしれない事を検診時にご指導させて頂いております。変化が一時的なものとならなかったり、歯及び口腔機能に悪影響を及ぼしてきた場合には、全身の健康維持に大切な働きをする口腔機能を維持・保護するべく対応させて頂いております。 

院長プロフィール

 

 

 

  • 1980年 神戸女学院                        高等学部卒業
  • 1987年    大阪大学歯学部                卒業
  • 1988年    京都大学医学部                大学院入学
  • 1990年    福田歯科医院                    開業